隊員報告書
第C号(18カ月目)                 平成7年10月7日提出

ヨルダン国派遣   平成5年3次隊   職種 電子機器(7年4月/7年10月分)

  エンドウ ヒロシ      配属先・住所 Jordan Electricity Authority (電力庁)
氏名 遠藤浩史             Amman South , National Control Centor


業 務 内 容

(A)任国業務水準

a)担当業務の一般状況

 現在担当している業務は大きく三っつに別けられる。一つは回路設計の指導とPCBの製作の為のCAD化推進を行うこと。もう一つは配属先の本来の業務である通信機器の修理の補佐を行うこと。そして社内LANの整備とネットワークの構築と行うことである。
 配属先の本来の業務である修理においては、品質管理に多少不安を感じる部分があるが、現状とのバランスでそこそこスムーズに進んでいる。具体的には、ベテランのテクニシャンが、永年の感と経験で得た知識を少しづつ図面上に当てはめて、回路解析を行ったり、基板から回路図(図面とは呼べないかも知れないような落書きだが)を書いて状況を把握する様になって来ている。若いエンジニアはこれを学びとって経験を積んでゆけば、お仕着せの技術よりも余程身に着くのではないだろうか?そしてこれを蓄積してデータを残せるようになれば、形の上だけでも完成した業務になるのではないか?と思っている。協力隊員である自分には、高周波等の経験不足の点が多くあるので、この業務はむしろ自分の手を離れたと考えている。
 回路の設計指導は報告書第B号に記した通り、継続が不可能なので停止凍結したままの状態である。CAD化の推進については現在4人のカウンターパートに指導しているが、CADの利用以前に、操作や作図の部分の能力が不足しているのでそちらを補っている状況である。自分の赴任以前よりCADを利用していた職員も、実のところははっきりとした操作が解っていたわけではなく、良く解らないことがあってもそのままにして、現象を定性的に説明出来ない場合が多い。また、作図においては、手を使って図面を描く事がほとんど出来ないので、CADを用いても配置や構成を上手に出来ない。そのため間違いや、失敗に気が付かずにそのまま作業を進めて、目的の基板が完成しないこともある。この辺りは今後の課題として取り組まねばならないと考えている。

 隊員報告書第B号で触れたLANの整備,構築について、コントロールセンタの長より正式に依頼があった。その構成や能力における資料の提示を行い、その方向性を仰いだ。しかしたとえソフトウェアだけであっても一度構築して後に再構築することが難しいことをあまり重く考えておらず、あまり的確な解答が得られなかった。
 これに伴い、電力庁の本庁にあるコンピュータセクションに協力を求め、支援を行ってもらっている。配属先であるエレクトロニクスワークショップは、ここの部署とは以前から多少なりとも交流があったために、自分も個人的に技術協力を行っていたが、これを機に正式に技術協力を求められ、週に1〜3日くらいはここに足を運ぶようになった。
 コンピュータセクションではコンピュータやその周辺機器の維持管理を行っている。したがってトラブルの解決や修理,保守点検はこの部署の仕事であり、特に高価なコンピュータの修理には色々と気を遣う事が多いようで、様々な質問や意見を求められたりする事が多い。また、技術的に進歩の大きい分野を相手にしている部署なので、技術情報の収集に熱心で、多くの技術書や資料がありとても助かっている。

 また、コンピュータセクションより技術指導等の協力の依頼があり、これを今後積極的に行ってゆく予定である。

b)日本と異なる点

 簡単に言うと "細かいことに気を使わない点" に尽きると考える。
 あまりにも大雑把で細かい作業や、細かい気配りを怠るがゆえに起きるミス,間違い,不具合が非常に多い。修理の作業においても注意を怠っているがゆえに、間違えや故障箇所を発見できないばかりか、自ら不良箇所を増やしたり余計な故障を誘発したりすることが多い。故障した部品を取り替える際に間違って取り付けて、他の故障も誘発して修理不能にしてみたり、部品の取り外しの際パタンを剥がしてしまい、正常に修理出来なくなる事が多い。また、ものを分解するにあたってただ闇雲にバラバラにしてしまい、再び組み立てられなくなることも多い。
 また、大切なこともどうでも良いこともあまり区別なく考えている。接点洗浄用のスプレー式クリーナとマシン油とを同一に考えたりして、基板に油を吹き付けてベタベタにして汚れが落ちて奇麗になったと考えたり、精度の高い測定器を用いて行わなければ再現出来なくなる調整用のつまみを、簡単にいじってしまい元へ戻せなくなったりと言うことが日常的に行われている。コンピュータのデータも、大切な資料とどうでも良いいたずら描きのデータが一緒に扱われており、何をどこにしまっておいたかが解らなくなったりする.また、意味不明な操作をしてファイルを消してしまったりする。
 何か問題が生じたときは、必ず人のせいか物のせいにして絶対に自分の失敗を認めない。
 しかし反面、他人のミスや欠点を気にせず、全く細かい気配りが無しで仕事が行える。そのため自分が失敗しても誰からも責められないし、仕事の進行も全く自分のペースで行える。

c)特に注意する点

 職場の同僚達(カウンターパート達)は大変プライドが高く、レクチャー等を行っても既に知っていることは勿論、少しでもかじったことがあることは全く耳を傾けない。それどころか、いかにもその道の専門家の様な顔をして意見を述べてくる。ところがほとんどの場合がそれほど事象に詳しいワケでは無く、突き詰めてゆくと答えられなく事が多い。特に理論や理屈は解っているが現実の回路では事象を説明出来ないことが多い。簡単なオーディオアンプの設計も理屈は解っていても自分達でデザインすることは出来ない。全く不思議な話しだが、図面からその動作を読み取り理解できる者でも実機を作製出来ないのである。従って実際に製作を伴った設計を行い訓練していかなければ、技術の向上にはならないのではないか?と考えているのだが…。
 また、わずかでも知っていることや、一度でも何かに携わったことがあるとことさらそのことを強調し、アピールする者が多い。従ってそれを真に受けていると、実際は何も知らないことが多い。実際ネットワークの話しもカウンターパートの一人が実に良く知っているとのことで始めたのだが、いざ蓋を開けてみるとネットワークを見たことある程度で実際に触ったことも無いと言う始末で、結局は自分がすべて面倒を看る事になってしまった。
 つまり相手の言っていることをいちいち真に受けていては大きく予想を誤ることがあり、やや酷い様だが何事も疑いの目で見た方が間違いないのではないかと思う。


支 援 体 制

(A)支援経費

a)3号報告とその効果(プロジェクトの現状と見通しについて)

 隊員報告書第B号に記したPCBの作製の合理化のための機材は、コンピュータの操作の教育を行った後に回路図エディタの使用方法、PCB作製用ソフトウェアの作製方法を指導するのに用いる予定だったが、コンピュータの操作に対する知識についてカウンターパト達の足並みが揃わなかったために、コンピュータの操作を重点に教える者とPCB作製を重点に教える者を分けて教育を行うのに用いた。
 その結果、職場の者が全員、何とかコンピュータを扱える様になった。また、数名の者は回路図を入力してPCBのパタンを作製する術を得た。全員が使いこなすようになるかは甚だ疑問であり、ソフトウェアの能力もやや低いのが問題だ。しかし、これ以外の点については時間的な問題だけで目標の到達が比較的容易に可能であろう。
 PCBの感光及びエッチング,加工の為の機材は比較的安価なので購入を電力庁自身で可能なのではないかと考えている。また、さほど複雑な構造のものでも無く、電力庁内で自作が可能なのではないかとも思う。

b)プロジェクトとして取り組む必要性のある業務の追加について

1.ネットワークの構築について

○追加の理由
 隊員報告書第B号に記した "ネットワークのカードを利用して社内LANを整備する" と言う配属先の計画が、正式に自分に依頼されて、これを引き受けることとした。
 この業務は直接、自分の配属されている部署の仕事ではなく、配属先であるコントロールセンタ全体の業務であり、本庁内のコンピュータセクションの仕事である。従ってこの業務は本庁のコンピュータセクションの監督下で自分が行うと言う形が理想的だがコントロールセンタでは正式に本庁の手助けを受けることを嫌っており、形だけでもセンタ内部で計画を遂行することを希望している。
 しかし、実際はコンピュータセクションの協力がなければ実行不可能であり、非公式に協力を依頼することになった。これに伴いコンピュータセクションから、今後、技術的な協力を正式に依頼されており、現在は二足の草鞋を履いている。

○プロジェクトの概要

 配属先はとしてはネットワークの構想として、パーソナルコンピュータを10台以上接続する予定であり、将来は電力制御用の大型コンピュータのネットワークも考えている様である。これに対して現時点で知っているLANの知識と、かつての勤め先で利用していたネットワークの利点欠点及びに感想を含めてレポートを提出した。
 ここで、形態としてはサーバ/クライアント型を、ソフトウェアには、WindowsNT-AdvancedServerをそれぞれ推奨した。また、ハードウェアは"IBMのTALKNling"と"XEROXのEtherNet"とがあるが、配属先の要請からXEROX方式を採用して欲しいと言われた。これは現状としても将来的にも的確な判断であると理解出来るし、自分も同意見である。
 これを元に、様々なソフトウェアのうち"Novel-lNetWare","MS-LANmanager","Banyan-VINES","WindowsNT-AdvancedServer"等を試して適切なものを探り、実用化に向けて協力して欲しい旨が伝えられた。
 従って、パソコンレベルでのネットワークで、コントロールセンタ内のLANを構築することを目標とする。

○プロジェクトの今後の見通し

 9月が終わった時点で"MS-NET"というソフトウェアを吟味し終わった段階で、次に"NetWare"に移って、年内にはソフトウェアを決定し、その後実際の敷設作業を行う予定である。ただしこの予定は日程的にやや厳しいものがある上に、周知の通りこの8月より米国マイクロソフト社が基本OSのMS-Windowsのヴァージョンアップされた。これには標準でネットワークの機能(ワークステーション側の機能、Peer_to_Peerまたは、クライアントとしての機能)が含まれており、これに対応したものの検討を行う必要が出てきている。後述する本庁での業務遂行も考慮すると任期の延長を考慮すべきではないかとも考えられる。

 さて、ネットワーク構築のための器材は比較的安価であり、また、ソフトウェアはヨルダンでは著作権を認めていないので合法的にコピーが使用できるため、支援経費としての援助の必要性は今のところ感じない。が今後の状況により多少、小額の援助をお願いすることになるかも知れない。



2.本庁コンピュータセクションの業務の技術援助

 本庁のコンピュータセクションは、コンピュータ全般の管理を行っている部門である。導入時の設置立ち上げは勿論、利用のための啓蒙や教育、トラブルの解決や修理,保守点検はここの仕事である。先に記した様に、高価なコンピュータの修理には色々と気を遣う事が多く、また日進月歩の技術を扱っているために、自分に様々な質問をしたり、技術の指導や解説を依頼される事が多い。また、新しい機器やシステムの導入時に意見を求められることもある。
 ここでは、特にコンピュータの周辺機器のトラブルに対して適切な技術書や指導書が無いようで、彼等自身で修理を行うことが難しいようである。事実、日本でもマイコン周辺のLSIを解説した書籍は少なく初心者が苦労する辺りであろう。ヨルダン国内に部品メーカーが存在しない上に、部品扱っている代理店などでデータシートを入手することも困難であるので、今後この辺りの教育を中心に技術指導を行っていく予定であるが、残りの任期では到底十分な指導が出来ないと考えているので、これに当たっては任期の延長が必至なのではないだろうか。
 また、近年のコンピュータシステムのオブジェクト指向に伴い、一般ユーザーがその取り扱いを簡単に出来る反面、管理者はその構造を深く理解する必要がある。このような知識が現地語の書籍になる以前に、実機上での活用が廃れてしまうのを避けるために、より詳しい情報を入手して、自分のものとして理解することが可能になる様な指導を行う。つまり多くの情報の中から的確な判断が下せる能力を養う。
 修理業務については、扱うものが通信機か計算機かの違いだけで根本的な違いは現在の職場と比べて余り無く、そこそこの結果は出ているようだ。しかし計算機の場合は、通信機器等と違って、今後の技術の進展に対応して行けるかはやや不安である。

 さて、ここでの業務は始めたばかりなので、まだはっきりと何が必要で何が充分に揃っているのかがあまり把握出来ていない。ただし教育用に利用している機器がi80286と言う古いCPUを搭載したもので、次世代のOSには対応出来ない。今後、援助等の対象になるのものではないかと思う。現時点では何とも言えない。




一 般 状 況

(A)任国事情

a)衣・食・住の観察

"衣"について

 アンマンの市内では民族衣装を纏った人は比較的少なく、また若者の殆どは日本の10年前から現在程度の服装をしている。ただし、いずれにしても保守的で先進国での一般人が身に着けている様な一般的なセンスのある様な服装は見られない。
 また、男性は"ハッタ"と呼ばれる被り物を着けている場合がある。女性は"イシャール"と言うスカーフの様な物を頭に巻き付けている人がおり、宗教色をうかがわせている。

"食"について

 朝食は6時頃、昼は2時頃、夕食を9時頃に食べて3食採るのが一般的で、昼食がメインになっているらしいが、配属先では昼間の10時頃にサンドイッチの様な物をオヤツ代りに採っている様だ。実際のところは昼に沢山食事を採って、それ以外はあまり多くは食べない様だ。
 ホブスと言う丸く平たいパンを主食とし、羊の肉や鶏肉を使った料理をよく食べる。料理の種類はあまり多く無い様だ。食品は色々種類も多く非常に安価である。日本人の我々の物価の感覚では、現地人の給料を考慮しても異常に安いように感じる。例えば配属先の職員の一ヶ月の給料で、一般的な現地人の食事(日本人が食べても何等味に問題が無く量は充分過ぎる程ある)を500食以上も食べられる。

"住"について

 日本に比べても遥かに恵まれた環境である。職場の職員にも何度か自宅に招かれて遊びに行ったが、どこの家も立派で我々の感覚では驚異的な贅沢に感じる。話しによれば、ここの国ではどんなに貧しい者でも家の無い人はいないそうである。
 特に自分の借りている家の周辺は立派な家が多く、庭には木が植わっており、駐車場には高級車が2台以上ある、と言う様な所ばかりで、一体この国には何を援助する必要があるのだろうか?と考えてしまう程である。

b)文化・習慣の相違点

"文化"について

 ヨルダン独自の文化を見つける事は大変難しい。音楽や映画、テレビ番組、出版物等においてヨルダン国内で制作されたものはほとんど無い。特に書籍においてはヨルダン国内で執筆されたものを見たことが無い。文化のほとんどを海外から持ち込んでいる。宗教もヨルダン独自のものでは無い。
 ただしこれらを輸入し複製したものは大変多く見られる。音楽テープやビデオテープ、コンピュータソフト、出版物等はオリジナルを見つけることは極めて困難で、市場にある物はすべて複製品である。この様な複製品を作り使っているところが独自の文化と言えば、そうかもしれない。ただしそのコピーの質は極めて悪い。
 法律によって著作権を否定しいる為にこれらは合法であると、ヨルダン人は主張するが、アメリカやその他先進国で作られて国際法の元に販売配布されたもの複製し販売して利益を得ることはやはりいけないことの様に感じる。またこの状況は、この国の内部でこの様な生産活動を行う妨げになっている様な気がする。
 文化についてはすべて海外製を輸入することに頼っているので、新しいものがすぐに入ってくる。自分の知る限りではヨルダン人は新しいもの好きで、何事も新しい物を 善しとする傾向があり、古い物を大切に使うと言う考えが無い様に感じる。

"習慣"について

 イスラム教の習慣に加えて昔からの習慣が多くあって、これらに縛られてなかなか悪い習慣でも抜け出せない様である。文化とは逆に習慣は新しいものを受け入れない傾向にあるように感じる。例えば親近結婚による障害者の発生は、彼ら自信がそのシステムを良く判っていながらも自分達でその習慣に縛られており、変えることが出来ない様である。身体障害については全く専門でないので良く判らないが、ここヨルダンではかなりの数がある様で、カウンターパートの中にも色覚障害を持つ者がいる。(抵抗のカラーコードが読めない!) この様な表面的に確認し難い例を含めると、かなり多くの障害者がいるような気がする。今後、国の発展時に色々な妨げになる様なことがなければ良いと危惧される。

 また、役職や年齢による上下の関係が無いので、若年者や非役職者も遠慮無くものが言える。しかし、業務進行上の秩序が保たれないと言う欠点もある。役職が下の者に指示をしても文句を言って業務を遂行せず仕事が捗らないことがあったりする。

 挨拶を頻繁に行う習慣がある。朝から晩まで"キーフハーラック(How are you?)"と何回も尋ねられる。また、何かと人に話し掛けてきて面倒を看たがる。非常に人の世話を焼くのが好きで、困っている時は大変助かる。が、その反面少々うるさいときもある。

(B)協力活動(特に後続隊員に参考になる事項)

a)エピソード又は「ケーススタディ」となる体験

 自分は高周波回路の設計の経験が無い為に、本来要請のあった職場での無線機等の高周波技術の指導が不可能である。この点については協力隊募集の2次面接時にも説明してあったので、JOCV事務局も配属先である電力庁コントロールセンタも、双方とも納得している上の配属であると解釈している。従って自分の技術面での範疇内での協力を行っている。さらに、配属先でのカウンターパート達の気質を加味して以下の点について留意して業務を行っている。
 @ 修理と言う仕事の性質上、一人で仕事を行うと自己完結してしまい単にマンパワーになってしまう。従って技術移転には全くならないので、個々のカウンターパートの業務の補助に当ることとする。
 A 職場内で解決不可能な問題や、実行出来ない問題が生じた時にその方法や手段を実例をもって行い、問題解決の為の手段を示す。
 B 職場内で準備又は作製可能な治具や装置は、全て職場内で調達作製することを目指した。(前任者の意志を受け継いだつもりである。)
 さて、これらの点から実例を示しながら活動内容を示す。

 まず以前より述べている様に、配属先本来の業務である通信機器の修理においては、カウンターパートのうち2名が豊富な経験と知識で充分業務を遂行しており、それ以外の者も彼等から色々指示を受けている。しかも前任者の指導の成果か、図面から回路を読み取りそれに従って修理する方法を心得ており今後この為の協力は不要であると判断した。
 最近、日本より購入した無線機(アルインコ製の物、日本では144M帯のアマチュアバンドハンディとして売られている。こちらでは150M周辺で業務用用途として使用する。)が、調整不良の為に使用に差し障りがあった物を、添付されてきた図面よりその回路の意味を読み取って、過変調によりCPUが出力をカットする現象を手助け無しで解決した。

 また、通信機以外又は通信機内に内蔵されているコントローラの不具合に対して幾つか助言をおこなったり、自分自身で修理をすることがある。
 以前配属先はパソコンにつないで利用するROMライタを修理するように依頼された。が、この様な機器の修理を行うことが出来るものがおらず修理が滞っていたため、これを修理し、動作の原理を説明した。修理の際は必ず動作の原理を理解すれば、未知の機器でも原因はつきとめることが出来ると言う点を指導した。

 職場内にある装置のうち頻繁に使われるものはあまり多くなく、どれも優秀な機材であるので、改めて購入や作製する必要がない。しかし報告書第A号に書いた通り、PCB製作のためのツールに問題があり、検討の余地があった。
 その後、新しくPCを隊員支援経費にて購入して、回路図エディタからNET-LISTを作製しマスクのパタンを作製することを実用化出来る段階まで達した。今後は実際にPCBを焼き付ける紫外線照射装置やエッチングする装置を再検討する必要があるが、これらは機器を購入するよりも、この国で材料を準備して配属先の別の部門で加工組み立てを行って庁内で製作した方が良いのではないかと考えている。

b)パペット

 多くの隊員や、OB達が記してきることと思うので多くは書かないが、隊員の有志により、現地の子供達のために人形劇の公演を行っている。直接の職種とは関係無く行ってる活動なので、肩肘張らず大変楽しく参加している。


(C)任国内外旅行(任国又は任地との比較あるいは、後続隊員に参考となる事項)

任国外旅行について

 任国外旅行においては、先に提出した任国外旅行報告書に詳細は譲る。
 過去、業務で幾つかの国を観てきたが、ヨルダンほど資源も産業も無いにもかかわらず、物が豊富で良い暮らしをしている国を自分は知らない。これがフセイン国王の外交政策の賜物であることは疑う余地が無い。今後、これをどのように生かしてゆくかはヨルダンの国民一人一人の意識によるところが大きいと思うが、国民の大部分は自己の責任を問われない専制君主政に馴れてしまってか、その様な意識は極めて低い。

任国内旅行について

 任国内の旅行は、配属先の公休日が週一日なのであまり頻繁ではないが、極まれに行うことがある程度である。
 任地が首都であることを考え、他のエリアと比較すると、地方の町や村では保守的な感じで、古い習慣を今でも続けていたりする。特に地方の小さな村や町では外国人に対する差別や異教徒に対する偏見が強い為に、安全性に疑問がある。特に東洋人女性の一人歩き等は、たとえ昼間であっても危険が伴い、なるべく避ける方が良いのではないかと思う。
 また、男性であっても常に危険があることを意識している必要があると思う。自分も以前にイルビットと言う都市で語学訓練期間中に投石された経験がある。
 つまり "地方の方が首都アンマンに比べて治安が悪い!" と言えよう。

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